令和5年度 2級土木施工管理技術検定
「第一次検定(前期)」(種別を土木のみとする)
試験日:
令和5年6月4日(日)
合格発表日:
令和5年7月4日(火)
「第一次検定・第二次検定」(種別:土木、鋼構造物塗装、薬液注入)
「第一次検定(後期)」(種別:土木、鋼構造物塗装、薬液注入)
「第二次検定」(種別:土木、鋼構造物塗装、薬液注入)
試験日:
令和5年10月22日(日)
合格発表日:
・「第一次検定・第二次検定(受検者の内、第一次検定)」、「第一次検定(後期)」
令和5年11月30日(木)
・「第一次検定・第二次検定(受検者の内、第二次検定)」、「第二次検定」
令和6年2月7日(水)
令和5年度の2級土木施工管理技士の試験まで半年を切りました。倉持建設工業では、バックオフィスの社員にも資格取得を奨励しているので、これまで現場経験が全くないような社員も試験を受けることになります。
ブログでは、そうした社員の声を聴きながら、ひょっとしたらいるかもしれない、現場に出たことがないような方向けに初歩的な内容を解説していきたいと思います。
さて、早速今日の質問です。
ショベルカーのことを、ユンボとかバックホウとか言いますが、結局どの用語が正しいんですか?各用語に違いはあるのでしょうか?
一般社会ではショベルカーと呼ばれる油圧式の掘削機械のことを、我々の世界ではユンボと呼んだりバックホウと呼んだりして大変分かりにくいことかと思います。施工管理技術試験ではバックホウと記載されます。
ちなみに英語ではExcavatorと呼び、excavateという動詞は英語で掘削するという意味なのでこんなに分かりやすいこともないわけですが、何故日本ではこんなにごちゃごちゃしてしまったのでしょうか?
これにはユンボとかバックホウと呼ばれているものがどうやって開発されてきたか、その歴史が関係しています。
バックホウの語源
行政に提出する書類などでは、バックホウが正式な呼び方とされています。(国交省はドラグショベルと呼びますがややこしいので割愛します)。バックホウはBack(後ろ)+hoe(クワ)なので、後ろも掘ることができる(旋回できる)油圧ショベル、という語源の英語だと思いがちですが、backhoeでgoogle 画像検索すると、次のような検索結果になります。
ちょっと見たことない形してますね。
つまりバックホウとは、後ろも掘ることができる、というより、後ろを掘ることができる、重機なんですね。
ちなみに海外の技術者にバックホウと言って通じたことは一度もありません。先ほども言ったように、語源となっている海外でももう使っていない言葉なんですね。
(上の写真のショベル部分も、バックホウというよりrear actorと呼ぶ方が一般的な気がします)。
しかしその言葉がひそかに日本では生き延びて、その後開発された日本で一般的な無軌道で自走する油圧ショベルのことも、いまだにバックホウと呼ぶわけです。
ユンボの語源
じゃあユンボはどうなんだと言いますと、これはもともと商品名です。
食品をレンジでチンするときに使うあれのことを、ついついサランラップと言ってしまいますが、サランラップ自体は、ダウ・ケミカルというアメリカの企業が商標を持つ(日本では旭化成と共有)している商品名であるのと同じです(今調べた)。
今でこそ油圧ショベルはスイベル方式でぐるんぐるん無限に回転できますが、昔の油圧ショベルは旋回ができなかったので、手前のものをすくうことしかできなかったらしいです。
そんな中、三菱重工がフランスから技術供与を受けて製造したのがユンボ(Yumbo)であり、前々回の東京オリンピックの建設で大活躍したことから一躍世界中に広まり、もともと日本に技術供与したフランスの会社も社名をユンボに変更したほどです。
ちなみに今は日本では、油圧ショベルを指すユンボという言葉はレンタルの日建の登録商標です。ややこしいですね。
もっとも当時のユンボは今のように無限にくるくるは回らなかったようです。
結局どの用語が正しいのか
さっき割愛しちゃいましたが、国交省は油圧ショベルをドラグショベルと呼びます。これは試験でも出るから一応説明しておきますが、ドラグショベルの対義語はパワーショベルです。まず見たことがある人はいないと思うのですが、バケット(すくう部分)の向きが普通と逆についていて、すくい上げる用途の重機です。その逆なので、ドラグ(引っ張る)ショベルというわけですね。ひたすらわかりにくい。
これは建設業あるある論にもなりますが、用語が統一されていないので、全部同じものと覚えるしかありません。私だって現場行ったらユンボユンボ言っていますからね。
今日のブログが少しでも皆さまの受験勉強のお手伝いになっていたら幸いです。
施工管理本部 山﨑
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